SNSで見かける「著名人が投資を勧めている広告」や「すぐにもうかる方法を教えます」というメッセージ…。
最近、このような著名人になりすました詐欺が広がり、多くの方が不安を抱えています。
見た目が本物そっくりな広告や、親しげなメッセージに戸惑ってしまうこともあるかもしれませんが、まずは落ち着いて状況を整理することが大切です。
連絡を続けてしまうほど相手のペースに巻き込まれやすくなります。少しでも「変だな」と感じたら、やり取りを中断し、相手の情報を確認するだけで被害を防げる可能性が高まります。
この記事では、なりすまし広告の見抜き方や、危険な誘いの共通点、万一のときの相談先までをやさしく整理しています。焦らず、一つずつ確認していきましょう。
- 著名人になりすました詐欺の特徴と見抜き方
- 危険なサインや「信じてしまいやすい」ポイント
- 被害に遭いそう/遭ってしまったときの具体的な対処法
【はじめに】著名人なりすまし型・SNS投資詐欺が急増している理由
近ごろ、SNSやインターネット広告で著名人の名前や顔写真を悪用した「なりすまし型の投資勧誘」が目立ってきています。
広告をタップした先でDMやLINEに誘導され、知らないうちに会話が続き、不安や期待を揺さぶられてしまうケースが一般的に見られます。
この手口は、警察庁や各相談窓口でも注意喚起が続く「SNS型投資詐欺」と呼ばれるもので、近年は広告の見た目も巧妙になり、若い世代の相談も増えています。
この記事では、なぜこの手口が広がっているのか、どこに気を付けるべきかを分かりやすくまとめていきます。
著名人の名前・顔写真が悪用されやすい背景
著名人の写真や名前は、多くの人に「信頼」「安心」といった印象を与えます。
詐欺グループはこの心理を悪用し、本物に見える広告を作り、信じ込みやすい状況をつくり出します。
編集部「あの人が言うなら大丈夫かも…」という気持ちにつけ込まれてしまうことがあるんです。
実際には、著名人本人とは一切関係がないケースがほとんどです。
特に「無料で投資を教える」「あなた限定の特別情報」といった文言が並んでいるときは、一般的に注意が必要です。
SNS広告・DM・LINEでの誘導が増えている最新トレンド
最近の傾向として、詐欺グループは次のような流れで接触してくることが多く見られます。
- SNS広告をタップするとDMが届く
- DMのやり取りが続き、LINEへ誘導される
- LINE上で「投資グループ」「相談員」を名乗るアカウントが登場
- 「利益が出ている画面」や「他の参加者の声」が送られてくる
特にLINEに移行すると「個別の相談」「限定情報」という形で距離が近くなり、断りにくくなる傾向があります。
少しでも違和感を覚えたら、それ以上のやり取りを中断することが、被害を防ぐ大切な一歩です。
著名人を悪用したなりすまし投資詐欺の典型手口
有名人になりすました投資勧誘は、見た目が本物そっくりな広告から始まり、SNSやチャットアプリへ誘導されるケースが多く報告されています。
表向きは「投資のアドバイス」「無料の勉強会」といった体裁ですが、実際には無登録業者や、正体不明のアカウントが背後にいることが一般的です。
よくある誘導パターン(広告→SNS→グループ招待)
警察庁や国民生活センターでも共通して指摘されている典型的な流れは、次のように整理できます。
- SNS広告をクリックすると、有名人を名乗るアカウントに誘導される
- DMで「特別な相談」や「限定情報」を強調される
- その後、LINEやチャットグループへの招待が届く
- グループ内には「サクラ」と見られる人物が複数参加している
この一連の流れは、一般的に「信用を積み重ねられている」と感じやすく、断りづらくなる仕組みになっています。
編集部「みんな儲かってるみたいだし、自分も大丈夫かも…」と思わせるための流れなんです。
「偽物の利益」「サクラ」「投資アプリ偽装」などの心理操作
なりすまし投資詐欺では、儲かっているように見せるための心理操作が多用されます。
特に次のような行動が多く確認されています。
- 投資アプリの「利益画面」を偽装して提示する
- 複数のメンバーが「サクラ」として参加し、儲かっている演出をする
- 小額だけ「利益を引き出せた」ように見せ信じ込ませる
特に「暗号資産アプリ」「投資用アプリ」を名乗るものの中には、実在しないアプリや、表示だけを偽造したツールも見られます。
検索しても情報が出てこない場合は、やり取りを続けずに距離を置くことが重要です。
高額被害に発展しやすい理由(追加手数料/保証金/税金要求)
なりすまし投資詐欺の特徴として、「最初は順調に見える」ように演出し、後から追加の支払いを求められるケースが多く見られます。
- 出金するための「手数料」が必要と言われる
- 高額の「保証金」を請求される
- 「税金」を先払いしないと出金できないと案内される
このような請求が続くと、被害額が大きく膨らんでしまうことが一般的にあります。
少しでも違和感があれば、早めにやり取りを止め、第三者へ相談してください。
被害事例から読み解く共通点
SNS型投資詐欺は個別のケースごとに細かな違いはあるものの、被害者の年齢層や接触パターン、心理的な状況などには共通する特徴が見られます。
ここでは、実際の相談事例をもとに「どんなときに危険が高まりやすいのか」を整理していきます。
年齢層・SNS接触ツール・被害金額の傾向
警察庁・国民生活センターのまとめでは、SNS型投資詐欺の相談は50〜60代が半数以上を占めています。
ただし、近年は20〜30代からの相談も増え、年齢に関わらず巻き込まれる可能性があります。
- きっかけはSNS広告や投稿をタップしたことが多い
- 初期の連絡はDM、その後LINEや外部アプリへ誘導されることが一般的
- 被害額は数百万円から、場合によっては数千万円規模まで膨らむ傾向がある
被害者が信じてしまった決め手
SNS型投資詐欺は、相手を信じ込ませるための工夫が多く、心理的に「断りにくい状態」に持ち込まれやすいことが特徴です。
主な決め手として多いのは次のようなポイントです。
- 著名人の名前や写真が使われており、信用しやすい
- 「利益が出ている」と表示された偽アプリ画面を見せられる
- グループ内にいる「サクラ」が儲かったような投稿を続けてくる
- 少額だけ出金できたように見せ、本物だと思わせる
編集部「みんな成功してるなら、自分も…」と感じてしまう状況を作られてしまうんですね。
典型的な「危険サイン」チェックリスト
相談事例から共通する「危険サイン」は、早めに気づくことで被害を避ける手がかりになります。
次の項目のうち、ひとつでも当てはまる場合は慎重に行動してください。
- 「必ず儲かる」「絶対に損しない」と強調される
- 「あなただけに案内している」と特別感を煽られる
- 無料の投資教室・限定グループへ招待される
- 有名人の名前が使われているが、公式アカウントではない
- やり取りの途中で外部アプリやLINEに移行させられる
なりすまし投資詐欺を見抜くポイント
なりすまし広告やSNSを通じた投資勧誘は、見た目が本物そっくりで判断が難しいことがあります。
ですが、いくつかのポイントを押さえておくことで、被害を避けられる可能性が高まります。
ここでは、投資先やアプリの実在性、著名人アカウントの真偽、危険な誘い文句の見分け方をまとめました。
投資業者・暗号資産・アプリの実在性を確認する方法
まず確認したいのは、勧誘された投資先やアプリが実在し、適切に登録されているかどうかです。
以下のような手順でチェックできます。
- 金融庁の「登録業者リスト」で業者名を検索する
- アプリ名・暗号資産名を検索し、公式情報があるか確認する
- 口コミが極端に少ない、または不自然な場合は一度立ち止まる
- 個人名義の口座への振込を求められたら慎重に判断する
正規の投資サービスであれば、業者名やアプリ名はインターネット上に情報が多く残っています。
逆に、存在を裏付ける情報が少ない場合は慎重に行動してください。
著名人の公式アカウント確認方法
著名人になりすました偽アカウントは、非常に多く見られます。
以下のポイントを確認することで、ある程度の判断ができます。
- 公式マーク(認証バッジ)が付いているか
- フォロワー数や投稿内容が不自然でないか
- 直近の投稿が急に増えていないか
- プロフィールリンクが公式サイトと一致しているか
判断が難しい場合は、やり取りを続けず、一度距離を置くことが安全です。
公式サイトで本人の発信があるかどうかも確認してみてください。
「必ず儲かる」「あなただけ」に要注意
詐欺的な誘い文句には、共通する特徴があります。
どれも「早く決断させる」「考える余裕を奪う」ことを目的としている点が一般的です。
次の言葉が出てきたら、一度止まって深呼吸しましょう。
- 「必ず儲かる」「損はしない」
- 「あなただけに教える」
- 「今日中に決めないと参加できない」
- 「絶対に大丈夫」「みんな成功している」
少しでも不安がある場合は、その場でやり取りを中断し、スクリーンショットを残した上で信頼できる相談窓口に確認してみてください。
被害に遭いそう/遭ってしまった時の対処
SNS型投資詐欺は、気づいたときには相手との距離が近くなっていることも多く、「断りにくい」「早く判断しなければ」と焦ってしまいがちです。
ですが、まずは一度立ち止まることが大切です。
ここでは、今すぐできる初動対応と、相談先の使い分け、連絡を止める方法を整理します。
連絡・振込前に必ずやるべきこと
まだ振り込んでいない段階であれば、被害を止められる可能性が高いです。
次のポイントを落ち着いて確認してみてください。
- 相手とのやり取りをスクリーンショットで保存する
- プロフィール・アカウント名・URLなどの情報を控える
- 「必ず儲かる」「特別に教える」などの文言がないか整理する
- 振り込み前に、家族・友人・職場など第三者に相談する
被害に遭った場合の具体的な相談先
すでに振り込んでしまった場合や、不安が強い場合は、早めの相談が重要です。
状況に応じて、次の窓口を使い分けられます。
- #9110(警察相談窓口)
緊急性は低いが不安がある場合の相談に向いています。全国共通番号で、各都道府県警の相談窓口につながります。 - 188(消費者ホットライン)
取引トラブルや詐欺被害の相談を受け付け、最寄りの消費生活センターにつながります。 - 国民生活センター
深刻なトラブルや高度な判断が必要な場合に相談できます。
SNSブロック・証拠確保・口座凍結依頼の流れ
危険を感じた場合は、無理に相手とやり取りを続ける必要はありません。
まずは自分の安全を優先しましょう。
- 相手アカウントをブロックする(突然の連絡停止でも問題ありません)
- やり取りは削除せず、スクショで保存する
- 振り込み済みの場合は、銀行に「振込先の口座凍結」を相談する
- 必要に応じて、#9110や188へ状況を共有する
一度でもお金を振り込んでしまうと、取り戻すことが難しくなるケースが一般的にあります。
落ち着いて、今できる行動から順番に実施してください。
まとめ:被害を避けるための「3原則」
著名人になりすました詐欺は、広告の見た目や会話の流れが巧妙で、誰でも巻き込まれる可能性があります。
ですが、基本となるポイントを押さえておくことで、多くの被害は避けられます。
最後に、この記事全体でお伝えした内容を3つの原則として整理します。
- まず疑う:著名人の名前や写真があっても、そのまま信じない
- しっかり確認する:業者・アプリ・アカウントの実在性を確認する
- 早めに相談する:不安を感じたら#9110や188へ迷わず相談する
少しでも「変だな」と感じたら、すぐに連絡を止めてOKです。
怖い思いをしたときは、ひとりで抱え込まず、#9110や188などの相談窓口を頼ってください。
あなたの行動が、これ以上の被害を防ぐ大切な一歩になります。

