突然「警察です」と名乗る電話やビデオ通話が届き、不安で胸がざわついた方も多いのではないでしょうか。
近年では、本物そっくりの身分証や逮捕状を見せてくるニセ警察詐欺が増えており、若い世代を含む幅広い年代で被害が確認されています。
ただ、いくつかのポイントを知っておけば、落ち着いて危険を見抜き、自分や家族の身を守ることができます。
少しでも違和感を覚えたら、その場で通話を切り、正規の窓口に相談することが最も安全な行動です。
怖さや焦りがある中でも、一度立ち止まることで被害を防げる可能性は大きく高まります。
この記事では、ニセ警察詐欺の流れや見破り方、万一巻き込まれたときの対応までを、落ち着いて行動できるよう順を追って解説します。
- ニセ警察詐欺が増えている理由と最新の手口
- 本物の警察が絶対にしない行動と見破るポイント
- 不審な連絡への正しい対処と相談先の使い分け
不安な気持ちを少しでも軽くし、具体的に「どう動けばいいか」を知ることで、安全につながる判断がしやすくなります。
まずは落ち着いて、順番に読み進めてみてください。
ニセ警察詐欺が急増している現状と被害の最新動向
ここ数年、ニセ警察詐欺は全国的に増加しており、若い世代から高齢層まで幅広く被害が出ています。
突然の国際電話や、警察の代表番号に似せた偽装番号を使うケースが増え、見抜くのが難しくなっています。
被害額も高額化しており、年代別・連絡手段別の傾向を知ることで、自分にも起こり得る危険として捉えることが大切です。
編集部怖かったですよね。落ち着いて順番に確認していけば大丈夫です。
どんな人が狙われているのか(年代・端末・被害額の傾向)
最近の傾向として、30代や20代など比較的若い世代が、携帯電話への突然の電話で狙われるケースが多く見られます。
一方で、60代以上では固定電話を使った手口も引き続き多く、世代ごとに接触方法が変化していることが分かります。
年齢に関わらず誰でも巻き込まれる可能性があるため、まずは「狙われやすさ」を知ることが被害防止の第一歩になります。
ニセ警察詐欺が使う典型的な心理操作
ニセ警察詐欺では、相手の冷静さを奪うために不安や恐怖を与える言葉が多用されます。
例えば、「あなたの名義が使われている」「逮捕の可能性がある」など、強い言葉で急がせるような流れが一般的に見られます。
焦らせる状況を作ることで判断を鈍らせ、行動を急がせるのが特徴です。
こうした心理操作を知っておくことで、不審な連絡を受けても落ち着いて対応しやすくなります。
ニセ警察詐欺の典型的な流れ(電話→不安→SNS/ビデオ通話→偽証拠→要求)
ニセ警察詐欺には共通する流れがあり、最初に電話で接触し、相手の不安を大きくしたうえでSNSやビデオ通話へ誘導されるケースが多く見られます。
そこで偽の警察手帳や逮捕状を提示し、あたかも本物の警察官であるかのように信じ込ませ、最終的に金銭や個人情報を引き出そうとします。
この「不安を煽って信用させる」という流れを知っておくことで、途中で気づきやすくなります。
ステップ① 電話で権威を名乗り不安を煽る
最初の段階では、警察官や公的機関を名乗る電話が突然かかってきます。
内容としては「あなたの名義が使われている」「未納がある」など、不安を感じさせる言葉が並びやすい傾向があります。
ここで動揺させることで、相手は冷静に判断しづらくなり、話を聞き続けざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。
編集部焦らなくて大丈夫です。突然の電話で不安になる気持ちは自然なことです。
ステップ② SNS・ビデオ通話に誘導し「本物らしさ」を演出
電話のあと、LINEなどのSNSやビデオ通話へ誘導されることが一般的に見られます。
画面越しに制服姿の人物や身分証らしきものを提示し、信じ込ませようとする動きが特徴的です。
巧妙な演出により「本当に警察官かもしれない」と思わせることで、相手の警戒心を弱めようとします。
ステップ③ 偽の警察手帳・逮捕状・代表番号偽装で信用させる
次の段階では、偽の警察手帳や逮捕状の画像を提示するなど、信頼を得るための偽装が行われます。
着信画面に警察の代表番号に似た番号を表示させる偽装技術が使われることもあり、本物かどうか判断するのが難しく感じられることがあります。
こうした演出は、疑いを持たせないようにするためのものとして一般的に確認されています。
ステップ④ 金銭・個人情報の要求
最終的には「資産を保護する必要がある」「口座の調査が必要」などの理由で振込や暗号資産の送金を求められることがあります。
また、個人情報や金融関連のパスワードを聞き出すケースも見られます。
こうした要求に応じてしまうと、財産や情報を奪われる深刻な被害につながる可能性があります。
少しでも不審に感じたら、その場でやりとりを止めることが安全につながります。
本物の警察官なら絶対にしないこと
逮捕状詐欺を防ぐためには、「本物の警察は何をしないのか」を知っておくことが効果的です。
突然の電話やSNSの連絡、ビデオ通話での身分証提示、金銭の要求などは、警察の正式な運用として確認されていません。
この基準を知っているだけで、詐欺を瞬時に見抜きやすくなります。
電話・SNS・ビデオ通話での突然の連絡は一切ない
警察から個人へ突然ビデオ通話をかける運用は、一般的に採用されていません。
メッセージアプリでの連絡も同様で、警察を名乗るアカウントから通知が届く場合は、詐欺の可能性が高いと考えられます。
編集部驚くような連絡が来ても、まずは深呼吸して落ち着いて確認してください。
警察手帳・逮捕状の画像送付や画面越し提示は行わない
本物の警察官は、警察手帳や逮捕状の画像をスマートフォンに送るような対応は行いません。
画面越しでの提示も同様で、画像を見せられたとしても本物かどうかの判断は難しく、詐欺に使われるケースが一般的に確認されています。
画像が本物らしく見えても、そのまま信用しないことが大切です。
金銭の要求・口座の凍結名目の振込指示は行わない
警察が個人に金銭を振り込むよう求めたり、資産保護を理由に口座への入金を指示することはありません。
「凍結処理のために入金が必要」といった説明は、逮捕状詐欺でよく使われる手口として知られています。
不安を抱えたまま対応し続ける必要はありませんので、少しでも違和感があればすぐにやり取りを止めて安全を確保しましょう。
ニセ警察詐欺を見破るためのチェックリスト
ビデオ通話詐欺は見た目の信頼性が高く、気づきにくいことがありますが、いくつかのポイントを知っておくことで早い段階で見抜けるようになります。
着信番号の不自然さや会話内容の違和感、SNSへの誘導、偽造された証拠の提示など、共通して見られる特徴をまとめました。
このチェックリストは、誰でもすぐに使える「危険サイン」として役立ちます。
着信番号・通話内容のチェックポイント
番号が国際番号のように「+」から始まっていたり、警察署の代表番号に似せた番号が表示されることがあります。
自動音声で「この電話はまもなく使えなくなる」などの案内が流れる場合も、一般的に不審な動きとして確認されています。
少しでも違和感があれば、一度電話を切って安全を確保しましょう。
会話中に「詐欺かもしれない」と気づける判断基準
会話の中で「急いで手続きが必要」「このままだと危険」など、強い不安や焦りを与える言葉が続く場合は注意が必要です。
相手が一方的に話し続けたり、質問に答えず不安だけを煽るような態度が見られることもあります。
不安にさせられた瞬間こそ、落ち着いて距離を置くことが大切です。
編集部怖くなったときは、一度深呼吸して状況を整理しましょう。
SNS/ビデオ通話で提示される“偽物の特徴”
ビデオ通話越しに身分証や警察手帳のようなものを映してくるケースがありますが、画質が不自然だったり、背景に違和感があることが多く見られます。
制服の質感や階級章の位置が不自然だったり、動きが不自然な映像が使われることもあります。
少しでも疑問を感じたら、その場でやり取りを止めて安全を優先してください。
もし不審な連絡が来たら:切る・記録する・相談するの正しい手順
ニセ警察詐欺は、対応が遅れるほど被害が広がりやすいため、早い段階で行動することがとても大切です。
深呼吸して落ち着きながら、これから紹介する「切る・記録する・相談する」の流れを順番に行えば、安全を守りやすくなります。
迷ったときほど、まずは距離を置き、信頼できる窓口に相談することが被害防止につながります。
会話中・直後に取るべき緊急行動
不審な電話やビデオ通話だと感じたら、その場で通話を終了することが最優先です。
相手がどれだけ強く不安を煽ってきても、折り返し電話をしたり、言われたとおりに操作する必要はありません。
通話を切ったら、スマートフォンを深呼吸するように一度置き、落ち着きを取り戻してください。
編集部怖かったですよね。ここまでできていれば十分です。次のステップに進みましょう。
証拠として残すべき記録の種類
次に、相談の際に役立つ証拠を残しておきましょう。
- 着信画面のスクリーンショット
- 通話録音(設定可能な場合)
- SNSやチャットアプリでのメッセージ内容
- 相手の名乗りや不審な発言のメモ
記録が多いほど、相談窓口で状況を正確に伝えやすくなります。
難しい場合は「覚えている範囲」で十分ですので、無理のない範囲で残しましょう。
相談窓口:#9110・最寄り警察署・消費生活センター
不審な連絡があったときは、一人で抱えず公的な相談窓口に連絡することが大切です。
警察相談専用電話の#9110では、身の安全に関する悩みや不安を幅広く相談できます。
緊急性の高い場合や不安が強い場合は、最寄りの警察署へ直接相談すると安心です。
金銭トラブルや契約に関わる相談が必要なときは、消費生活センターも相談先として活用できます。
相談するだけでも不安が軽くなることがありますので、早めに誰かへつなぐ行動をとってください。
被害に遭ったかもしれないと感じたときの対応
警察官を名乗る詐欺に関わってしまったかもしれないと感じたときは、早めに行動することで被害の拡大を防ぎやすくなります。
すでにお金を送ってしまったり、個人情報を伝えてしまった場合でも、できる手続きは残されています。
まずは落ち着き、今できる安全確保のステップを順番に進めていきましょう。
口座・暗号資産などの緊急凍結手続き
振込や送金をしてしまった場合は、すぐに銀行や暗号資産取引所へ連絡し、口座の凍結や停止手続きを相談してください。
対応が早いほど、追加の被害を防げる可能性があります。
取引履歴や送金画面のスクリーンショットも後の相談に役立ちます。
編集部焦らなくて大丈夫です。ひとつずつ確認していきましょう。
個人情報を渡してしまった場合の対処
氏名や住所、電話番号、ログイン情報などを伝えてしまった場合は、不正利用を防ぐために関連サービスのパスワードを変更しておくことが重要です。
アカウントのログイン履歴や通知設定を確認し、見覚えのないアクセスがないかを監視しておきましょう。
心配が強いときは、利用中のサービス窓口に相談することも安心につながります。
家族・職場・関係者に共有するべき点
被害に遭ったかもしれないと感じたときは、家族や信頼できる人に状況を共有しておくことも大切です。
連絡先が悪用されるケースもあるため、周囲に注意を促しておくことで連鎖的な被害を防ぎやすくなります。
一人で悩まず、必要に応じて相談窓口や周囲の人の力を借りながら、安全な状態を取り戻していきましょう。
まとめ:少しでも違和感を覚えたら「切る・相談する」が鉄則
- 不安を感じたら通話を切ることを優先する
- 証拠を残し、正規の相談窓口へ連絡する
- 迷ったときは#9110が相談の入口として役立つ
ニセ警察詐欺は年々巧妙になっていますが、基本的な判断基準を知っておくことで、多くの被害は防ぐことができます。
不安を煽られたり、急かされるような流れを感じた時点で、一度立ち止まることがとても重要です。
違和感を覚えた瞬間こそ、通話を切り、距離を置くタイミングです。
そして不審な連絡を受けた際は、一人で抱えず、早めに正規の相談窓口へつなぐことで安全を確保しやすくなります。
怖さや戸惑いがあっても、落ち着いて行動することで被害を止めることができます。
あなたの安全が最優先ですので、判断に迷うときは早めに誰かへつないでください。

